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にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
四月十五日
四月十六日
四月十七日
女が、巧く話にかかり、真面目に彼の身の上を案じていろいろ話したと云うのをきいて、そんなことをしたのがいやになった。
少くともあの場合、どちらが人として尊いかと云えば、Aよりは女の方だ。まして、そんなに図太い女ではないらしく、どっちかと云うとサトルさんが、悪らしいと云うのをきいて、なおその心持を強くされた。
四月十五日(土曜)晴
からりとしたよい天気だ。
明日、小林、石田氏出航
四月十六日(日曜)晴
朝正直さんが、サトルの結果をききに来る。
四月十七日(月曜)朝晴 夕雨 雷電
なるたけ早くたけをさんを迎えに行かなければならない。それでも遠いので、ついたら十時であった。道、村山「カイタの歌える」をよんで行く。天才の刹那の閃き。彼は、閃きを多く持ち、照る太陽のような、偉大な持続的光明は持たなかったことを思う。つまり、パッパッとものを照し我も輝、ひとを驚すことは出来る。けれども、土を養い、水をぬくめ、あらゆる生存の根源となるような、原質的な創造は出来ない。此の出来る人こそ真の天才で、万々に一の一現れるものなのだ。
相変らずたけを、暗く、土くさく、善良にぼんやりして居る。