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にっき

日記

宮本 百合子

08 一九二二年(大正十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页

青空文庫

三月二十二日

三月二十三日

はっきりしないが、或動かせない思考方法の差を感じる。

野上さんより手紙。会ったことをよろこび、非常に伯母らしい文句で、友情を示された。自分は、純粋にそれを受けられる。

三月二十二日(水曜)晴

朝非常に寒く、氷が張ったそうだ。

昨日から「小さき家の生活」の続き、此家に関して、少しずつ書き始めた。

昼頃会田祖母スエ子来、明治神宮へ行き、墓地を廻り、来るよし。彼女が、いろいろ私をひくようなことを云う。が、何だか全部信じられず、アユと云う心持がしていや。

三月二十三日(木曜)晴

朝、『良婦の友』とか云う雑誌に、育児に関する感想を二枚書かなければならず。

夜あけがたつまらない人殺しの夢を見、今朝は下痢をし、めちゃめちゃ。とにかく、二枚分だけは書く。

古風な銅版画の面白味が少し分りかけたらしい。

夕方、星の六階でコロンビア会。種々な人に会う。ベルリナに久しぶりで会いうれしく思った。

石原さんが見える。日本人の女では二人きり。彼女が、かさかさした体つきをし、指にうんとダイヤや真珠の大きな指環をはめ、皮肉な冷笑をもって肩をすくめたりして居るのを見ると、自分は、妙に苦しいような淋しいような心持がした。