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にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
六月十二日
六月十三日
不快。誰に当りようもなし。
午後、コロンビア会に彼がスペシアルゲストとして呼ばれて居る。自分は留守、野上さんの処へ返事を出す。
風がひどく、机じゃりじゃり。
加藤さん。遂に、内閣組織の大命を拝す。どんな仕事をするか。成程、世界にふれたと云う点で、彼は、国内の党頭よりはよいだろう。
六月十二日(月曜)晴
朝「火のついた踵」、
夜、Aの英文学手伝い。
近頃、書きたいことが多いので、一日の量が少く思われて仕方がない。大抵、五六枚から七枚。あとは、何だか、腹に力がぬけたようになり、書く――真剣で――ことは出来ない。
どうにかし、もっとやれないか。
六月十三日(火曜)晴
昨日あたりからすっかり夏の季節。昨日の午後八十度、今日は七十八度ばかり。
あけがた、どうかして胃が変になり、苦しく、ゆたんぷであたため、助かった。
「火のついた踵」、
夕方、前田駿一郎来。二十二歳だと云う。平凡な男以上に、どれ丈秀れた処があるか、七時過から九時二十分頃まで。文学をすると云ったって、何も知っては居ないのだ。
それを、Aがひどくナーヴァスになり、まるで、すね、早く眠る。自分の周囲にはよくもよくもつまらない男が集ると思い、淋しくつまらなく、夜いつまでも寝られなかった。