轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にっき

日記

宮本 百合子

08 一九二二年(大正十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页

青空文庫

七月二十一日

○ 彼のまるで知らない顔。意識か無意識か。少くとも自分には無邪気とは思えない。無邪気なら私の此心持を察しない筈はない。「今に、又忘れなおる。自分は自分のやる丈をする」と納って居るのか。

○ 言葉にならず、潜精力となって来る斯様な心持は恐ろしいものだ。

○ 苦しい思いに圧せられ、心は、ぴったり外界と交渉を保つ、水門の扉をしめたようになった。

朝夕、ぷたぷたプタプタと板に当る内奥の水の揺音をきく。底から、自分は、静かに、気長く、一層苦しさは増し乍ら、或力の湧き出て来るのを覚えた。……。……。やがて、水は堰を切ろう。外に、晴やかな自然、草や木、日光、自分が五年前見たものと同じ自然が在ることは解った。一群の水が、頭を揃え、どっと水門を越えた時! 思っても心が軽々となる。深い、夢のような、苦しい一の経験から飛出したことをどんなに快く感じるか、それも、満ちて来る力の自覚とともに、わかった。

七月二十一日(金曜)

二十日夜、まつの留守。一寸したことから話が出、自分は到頭、自分の心持をAに話した。ちっとも、深く心を打たれ、成程自分はそうだったかと思うことがない。嘲笑し、私の真しな話は同情がないからシンセリティーがないと云い、話しても駄目だ。