轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
十月十九日
十月二十日
祖母上は、待ちかねて居たので、朝のうちから、順序なく、大さわぎをされる。一時の急行。
自分は途中、「ナナ」をよむ。自然主義の始祖としてのゾラが、科学的システムを芸術にとり入れ、「科学進歩の為、理想とか、絶対とか不可知とか云う言葉は世にその跡を絶って、人は正直になり率直になり、且つ幸福を享けるのである」と断言して居る処。
いかに、時代と云うものが天才の方向を(力そのものはあるだろう。が、方向を定めるのは、時代、圏境であると思う)定めるか。今日見れば、寧ろ、単純と思われる思想が、その時代に於ては先駆であったのだ。始めたものだけに、ゾラはモーパッサンより規範は大きい。が、その味いに到ると、師は弟子に帽をとらなければなるまい。
七時すぎ無事着。
十月二十日(金曜)
風烈しく、東京とは少くとも七八度違うだろうと思われる温度。おさとさんから、片倉製糸工場の話をきく。
主人(大将と呼ぶ)に対する表面的な絶対服従。かん誘員(小僧から打きあげ、十七八で帳つけとなり、外へ出て勧誘員となるときには、まるで成年のような風をする)が、つれて来た女工達の親権を与えられ、従って、悪く権利を利用すること。