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にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
十一月九日
今日ですっかりロシアの仕事を終り、茶話会をしてしまうと云うのである。
ヨサノ、深尾、荻野、柳、河崎、星野、石本、自分等。きのう野上さんと会ったあとなので、彼女と、此等の人々との相異を深く感じた。要の話のほかは、冗談と着物のこと。
丁度石本さんが美しい毛糸のケープをきて居たので皆がこれを作ることをのぞみ 色や何かのことでしきりに話がはずむ。第一着物のことを云い出すのが女性の本性なのか。少し心細い気がした。夜、Aのためタイプライター。
十一月九日(木曜)晴
すっかり雨が晴れ、うちのバラが又美しい三輪の花をつけた。忘れ得ないよろこびを与える。四季咲なのだろうか。少し田舎で、畑に野菜を同じ悦びで見られたらどんなによかろう。
女中のことにつき林町へ手紙を書く。ペルシア、パスト&プレゼントも終。
夜、哲学辞典と云うのを出して居る本屋が、Aに、ペルシアの部につき執筆して呉れるようにと云って来る。丁度六時。まつ、買物の為にと云って、出て行く。
A、胸のしっぷす。右肺に雑音がすると云う。
明日遠足で、天気がよければ一日家に居られると楽しみにし、早く、A床につく。十二時近くより雨ふり始める。