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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
37 石けりの子供
地球がモロー彗星と衝突して、こなごなにこわれる日は近づいたし、その上に、この火星兵の人間狩の恐怖までが加わって、地球に住む人間たちは、二重の大難にぶつかったわけである。
その火星人と言うのが、どうもいろいろのことから考えて、地球の人間よりも、ずっと賢い生物らしいのは、困ったことであった。
人間と人間、国と国との戦争においては、いくら相手が強くても、強さが知れている。いくら相手に秘密の新兵器があると言っても、こっちはスパイを使って、ある程度まで、その新兵器がどんなものであるかを、あらかじめ知ることが出来る。
しかし、火星兵のとつぜんの襲撃には、全く困ってしまった。地球の人間は、今までに、火星兵のことなどを、ほとんど、しらべていなかったのである。火星人のすがたを見たのも、今がはじめてである。
ところが、火星人の方では、前から、よほど念入に、地球のことをしらべ、地球に住んでいる人間のことまでしらべていたものらしい。ことに、地球の上で世界戦争がおこり、人間同志攻めあい殺しあいしているのを、火星人は、よく知っていたようである。彼ら火星人は、人間たちが人間たち同志の戦争で、ちょうどつかれはてていることを知って、地球攻略の心を起したようにも考えられるのである。