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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
43 寄生藻
もう一人の仲間の火星人も、気づかれがしたものか、そのそばで大きな瞼を重そうにぱちぱちしていたが、これもまた、うつらうつらと眠りについてしまった。
急にあたりは、しんとしてしまった。地底には、博士と新田先生とが、じっと向きあっていた。師と門下生とが、ひさかたぶりに水いらずで向きあっているのであった。博士の心はどうか知らないが、新田先生の胸中には、これまでのいろいろなことが思い出されて、いたいくらいだった。
だが、先生はいつまでも、めめしくはなかった。地球の壊滅は、もう間近にせまっているのである。めめしく涙ぐんでいる時ではない。
「博士、この火星人たちは、どうしてここにいるのですか」
と、先生は質問の矢を博士に向けて放った。
「ああ、この二人のことかね」
博士は、長くのびて、額に落ちかかる白い髪をかき上げながら、先生の方を向いた。
「この二人は、ずっと前わしが火星に行った時、助けて連れて来てやった火星人なんだ」
「え? 博士は火星へ行かれたことがあるのですか」
先生は、びっくりして尋ねた。
「おや、そのことはまだ話をしてなかったかね」
「それはうそです。博士は、人間の力では火星へ行けないと言われたことが、あったではありませんか」