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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

71 硝煙の岡

「困ったなあ。さっきは、こっちの方からやって来たように思うが……」

千二は足にまかせてどんどん走った。

わずかの心おぼえが、彼をうまくみちびいて、どうやら元の海岸が見えだしたときには、おどりあがってよろこんだ。

「ああ、よかった」

千二はカリン岬を前にして、海岸に立ってあたりを見まわした。

「おや、博士は? 先生は? どこへいったか、まだ見えない」

浜はがらんとしていた。

博士のすがたも見えなければ、新田先生もいない。そればかりか、大空艇さえ見えないのであった。

「先生! 博士!」

千二は大きなこえをだして、いくどもよんでみた。

だが、千二のこえは、こだまとなって、かえって来るばかり。

千二はちょっとよわった。

「どうしたらいいだろう」

そのとき、千二のあたまに思いうかんだことがあった。このカリン岬の下に、秘密の洞窟があることを思い出したのであった。

「ひょっとすると、博士たちは、そこにいるのではなかろうか」

そう思った千二は、なんとかしてそこへはいってみようと思い、洞窟への入口をさがしはじめた。

カリン岬の下の洞窟へは、どこから、はいったらいいのであろうか。