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にっき

日記

宮本 百合子

08 一九二二年(大正十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页

青空文庫

五月二十六日

五月二十七日

五月二十六日(金曜)曇

朝「加護」をなおす。『読売』の清水氏来訪、心を入れ、書いて貰うことを話す。ために亢奮し少し仕事がつかえた。

夜、Aの、イングリッシュ・リテラチューアの筆記をよみ合わせ、一つ詩のようなものを書き、小品を書きかける。

近頃、黙っては居ても、宮原氏が、我々に、一緒のバーデンとなって居ると思う。自分は今年あまり福井には行きたくなく、安積にでも行き、あとは東京でゆっくり本でも読んで居たい。けれども、Aの居ないとき、又、彼がやたらに来、自分も話相手がないばかりに熱中して喋り合ったりすることがあるかと思うと、いやになる。

一そ、Aと二人で行く方がよいと思う。貞操などと云うことがいかに真実な形に於ては本能だかよく判る。

五月二十七日(土曜)晴

毎日バラの花が咲く。ずっと夏まで咲いて呉れたらよいと思う。が、此はそう云う種類ではないのだろう。朝、「加護」を書く。

夕頃A上野の夜景を見に行くと云う。行く。不忍池の周囲、外方に一つ、輝いたパール作りのような家を見、愛らしく美しく思った。

随分電気を使って居るのだから、もっと皆が相談し、我がちにやらず、調和をとったら、すばらしい光景が現れるのだろう。