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にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
二月五日
夜、米、欧へ出かけると云う小林氏来訪、十時頃まで話す。
Catherine de Medici, duma からうつって来た時代が面白く感ぜられる。
二月五日(日曜)晴
朝ゆっくりして居ると、『時事』で青山一丁目によい家のあるのを見つけ、A大いそぎで出かける。なかなかうちをさがすのは容易でない。「一つの家」のように幾月も只家賃を払って居られるようにゆとりのある生活者でもあれ丈の苦痛があるのを、我々のように、きりつめた生活をして居るものにとっては、一層のことである。生活改良や改善と云うことも、只枝葉的に、着物の裾をくくって見たり、髪に網をかぶせて見たりしたの丈では、結局に於てどうもならないのだと思う。もっと、少くとも今よりは大多数の人が目覚めて、共通に協力し合い、補助し合って、住家などと問題からかかって行かなければと思う。皆が肩をかして、重い一つの大石をゆるがす決心がいるのだろう、自分のためばかり思わず、人類のあるべきと云う生活を目ざすのだ。青山一丁目の四つ角の少し先の石屋を右に入り左に曲り、真中位の古い家だ。ひどくはなって居るが学校に近いので、又牛込の払方まで行き、たのんで来る。