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にっき

日記

宮本 百合子

08 一九二二年(大正十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页

青空文庫

四月三日

四月四日

浅薄なものだ。自分が正しいと云う概念、負けたのではないと云う意識でさっぱり素直にはなれないのか。辛い気がした。

六時過帰宅、父には、母の病気見舞と云って出たのだ。

四月三日(月曜)晴

朝二人が明治神宮へ行くと云う。自分達は先散歩に出て横をかすって来てしまった。一緒に行こうと決心する。なかなか人出だ。

神宮の建物は、さすがに大きな材木をつかい、念を入れてはあるらしいが、一見、何となく神さびたと云う感が来ない。此点では春日明神におとること数倍、勿論年代を経ないと云うことも大した原因であろう。然し、何となく、建物自身にも工匠の、魂魄がこもって居ない造営物と云う感がある。時代の(作られた)せいか。又、見た日の圏境によるのか。

「神々の死」。チャプター、チャプターがどうも断片的に感じられる。ずうっと感興の糸を引き、強調し次第にはまり込むようには書かれず、あまり長くない一チャプターごとに新たな自然、人の紹介で一寸まごつかせられる。自分には「先覚」の方よしと感ぜられる。

四月四日(火曜)晴 夜雨

人生に愛と光明とが必要であり必然の姿であると思えば、自分がそれ自体になろうとする努力は必要だ。