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にっき

日記

宮本 百合子

08 一九二二年(大正十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页

青空文庫

一月十日

一月十一日

それはありがたいけれども、わざわざ図書館から呼びよせずとものことと不快に思った。

自分があることについて十驚くと、それに関係のあるものにも十の驚き、自分のめいわくを思い知らせようとする気持は悪意のあるのではないだろうが、いやしい心持だ。

夜、霙、「剪燈新話」をよむ。面白い。なるほど、芥川さんの或話、村松梢風の或話が種を此処に出して居ることが面白い、ことにぼたん燈籠は、此と、話のとはまるで違った国民性を現して居る。支那のは肉感的、日本のは凄い。

一月十日(火曜)晴

大隈氏逝去。

グレースが非常に美しい朝であった。

「庭の景色」、二枚

「加護」をなおす。

昨日のこと、一寸小説になると思う。考える。又、うっかりありのままを書き大問題でも惹起してはたまらないからかえて、何か、トランクの箱ではないものにする必要あり。

母親が、自分のうけた迷惑をさんざん浴せ、浴せられた方は亭主にそのことを云う。亭主は癪にさわらせ、近々によんで一緒に夕飯でも食べようと云って居たのを暫く中止する。

一月十一日(水曜)晴

二三日前よりはあたたかい日と思われる。「渋谷家」をなおすのにどうしても十五日までには行きそうもないから、先ず先に「午市」