轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
頭に何があるのだろう。淋し、淋し。自分の思い考えて居る丈のことは何も彼の頭にはなく、自分がいつか恐らくせずには居られない決意は、彼に全く不意のものとしか、従って、不自然なものとほか、思われないのだろう。
自分の理想に忠実になり、境遇をかえたとし、又先のような、只観念の生存ほかなくなるのではないだろうか。斯様に苦しみつつ生活して居る時に、複雑な人性の差、上へ上へと翔ぼうとする人間の苦しみ、その他を味う。然し、若し此矛盾と苦痛とがなかったら、又あの単純な、一部分の生活ほかなくなるのではないだろうか。それが恐れである。自分を打ちあて輝かせるものを失うわけ、それですり切れるか、益※(二の字点、1-2-22)輝くか、此が自分の天才の星によって決せられる処ではないか。
彼が現状より、よりよくなるとは思われない。益※(二の字点、1-2-22)どちらかと云えば、凡俗になる方だろう。年もとれば猶保守的になり、嫉妬深くもなろう。此点も考えなければならない。自分が内に、仕える神、あくまでも育とう育とうとする精神をもっと小量にめぐまれて居たらどんなによかったか、少くとももっと男への甘さと調和され、日常の生活は安穏に行く。