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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「へえ、そうかね。で、それを頼んだ者というのは、誰かね。もしや、丸木とかいう、怪しい男じゃなかったかね」

「丸木?」

と、顎に繃帯を巻いた警官は、何にびっくりしたのか、ちょっと口ごもったが、

「ああ、あの丸木なら、もう死んでしまったじゃないか。ほら、あそこで皆が、火をたいて集っているが、丸木は、自動車に乗ったまま、この向こうの崖から墜落して、死んでしまったということだよ。丸木は、もうどこにもいない」

「ほう、君は、丸木のことをよく知っているね。それから、千二少年のこともよく知っているらしい。一体、君は、どこの警察署の人かね」

「わしのことかね。わしは、そのう、つまり日比谷署の者だ」

「うそをつけ!」

佐々刑事は、何と思ったのか、顎に繃帯をまいている警官に、うそをつけと、はげしいことばを吐いた。

「何が、うそだ。警官に対して、何をいうのか。お前こそ、どこの何者だ」

相手は、きびしく、佐々に向かって、逆襲して来た。

「君は、おれを知らないのか。すると、いよいよ君は、もぐりの警官だということになる。おれは、本庁随一の腕利刑事で、佐々というけちな男だ」

「えっ」

「おれが腕利だということは、もう四、五分のうちに、君にもわかるだろう」