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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「なにっ」

相手の警官は、思わず一、二歩、うしろへ下った。

「――ということは、おれは偽警官の貴様をふんじばって、留置場へのおみやげをこしらえようとしているんだ。こら、神妙にせい」

佐々刑事は、いきなり相手におどりかかった。

相手の警官は、逃げるひまがなかった。佐々は、彼を、その場に押したおそうとしたが、

「おや、貴様は、何を着ているのか。うむ、鎧を着ているんだな。いよいよあやしい奴だ。神妙にしろ!」

と、ねじふせようとした。

ところが、相手は、佐々に抱きつかれたような恰好だが、びくともしなかった。

「それを知られたからには、貴様の命はもらった。かくごしろ」

ううんと、相手は、うなった。そうして、あべこべに、佐々の胴中へ手をまわし、ぎゅうとしめつけた。

「なまいきなまねをしやがる。貴様は、佐々刑事の強いのを知らないと見えるな」

相手の警官は、なかなか強かった。

のどに繃帯をまいて、かぜをひいているとか言っていたので、さぞ弱い相手だろうと思っていたが、なかなかどうして、強かった。佐々刑事は、たじたじであった。

二人は、組みついたり、離れたり、うちあったりしたが、なかなか勝負がつかない。