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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

すると、階段が尽き、二人はしめっぽい土のうえにおりた。

懐中電灯の光でさぐってみると、あたりは、なかなか広い。それだけに、気味の悪さは、一そう加わった。

「おお、あの見当だ。おや、ぽうっとあかりが見えるぞ」

暗い廊下の奥に、穴でもあるらしく、下からぽうっと、光が天井の方へ映っている。

「何の光であろうか?」

新田先生と千二とは、やっと並んで歩けるほどの、狭いその廊下をしのび足で、奥へ前進して行った。

「這って行こう」

先生の注意で、千二も、しめっぽい土の廊下に腹ばった。

ひゅう、ひゅう、ひゅう。

ひゅん、ひゅん、ひゅん。

奇妙な笛みたいな音は、だんだん大きくなって来た。

千二は、その音を聞いているうちに、いつか、どこかで、そのような音を聞いたことがあるような気がして来た。

(はてな! 一度聞いたことがあるようなあの音? どこだったかなあ)

新田先生は、ぐんぐん前進して、ついに腹ばいのまま、穴のふちのところまですすみ寄った。さすがに、これから先は、先生もよほどの覚悟をもってのぞまなければならない。先生は、その覚悟をつけるためか、二、三度大きい息をした後、思い切って、穴の方へそっと頭をさしのべた。