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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、新田先生は、地底にうごめく火星人の話を聞いて、感心のあまりひざを打った。

そういうことが、ほんとうだとすると、いろいろなことがわかる。小学生たちが生けどった火星人がおしまいに胴中一つになってころげ廻るうち、折から行進して来た戦車にぶつかって、胴中が粉みじんに割れ、その時、中からゴムでこしらえたたこのようなものがころがり出て来たところを、大きな犬がくわえて行った謎のような事件があったが、今、火星人の話を聞いて、あの不思議な謎も、たちまちに、解けてしまう。つまり、火星人を、地球の濃い空気の圧力からまもっていた胴がこわれ、その中にいた火星人は、たちまち空気に押しつけられて、小さくちぢまってしまったのだ。だから、あのように小さな体になってしまったわけだ。

頭のすぐれた火星人は、人間に近づくためには、そのままの、自分の姿を人間に見せては損だと思い、怪人丸木のように、また山梨県の山中に着陸した火星兵団の兵士たちのように、胴の上に、つくりものの首をつけたり、これもつくりものの手や足をつけたりして、ひたすら人間の形に似るようにつとめていたのであった。

「何という用意のいい火星人だろう」