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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
と、先生は、わざと怪物をおどした。
「ま、待ってくれ。あなたでも蟻田博士でも、地球人類はすぐに怒り出すから嫌さ」
と、怪物はぶつぶつ言って、
「じゃあ、そのわけを言うがね。たいしたことではないのだ。さっきも言ったように、私たちが、地球の上でちゃんと生きているのは、この檻の内側に、目には見えないが蟻田博士の発明した減圧幕を張ってあるためだ。ところが、火星兵団の連中は、こんな便利な減圧幕のあることを知らないために、あの大げさな入れ物の中に、はいっているのだ」
「入れ物?」
「そうだ。入れ物だよ。入れ物というのは、ほら、さっきあなたが言ったではないか。たいへんかたい胴! ドラム缶のような胴! あれがその入れ物なんだよ」
「火星人がはいっている入れ物? あのいかめしい胴中に火星人がはいっているのかね。地球の空気があんまり濃すぎるので、あの胴のような入れ物の中に、火星人がはいっているのかね。ほんとうかね。いや、ほんとうらしい。ふうん、それは驚いた。へええっ」
新田先生は、驚きをかくそうともせず、しきりにため息をついた。
「ふうん、そうか、火星人の体に、そんな秘密があるとは気がつかなかった」