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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

褐色がかった火星兵の、あかはだかの死体が、あたり一面に、ごろごろころがっている。味方にも多少傷ついた者はあったが、火星兵のため、殺された者はいない。

「おお、あれを見よ。火星兵はみんな宇宙艇の中に逃げこんだのだ!」

博士がさけんだ。

なるほど、火星兵は、もうすっかり宇宙艇の中に逃げこんでしまって、窓からのぞいている。もはや地上には一人の火星兵もいない。かくして、ぶきみな、にらみあいがはじまった。

火星兵団と大江山突撃隊とが向きあって、気味の悪いにらみあいを続けている。

火星兵は、一人残らず林立する火星の宇宙艇の中にはいってしまった。そうして窓から、こっちをのぞいている。

突撃隊のほうでも、これ以上ちょっと進みかねている。

「蟻田博士」

と、大江山隊長が博士をよんだ。

「なんじゃの」

「火星兵どもは、すっかり、宇宙艇の中に逃込んでしまいました。この上は、宇宙艇の中へ攻込んで、火星兵を残らずやっつけたいのですが、何かいい方法はありますまいか」

大江山隊長は、あくまで火星兵団をやっつける気である。これまでに、火星兵団がした悪いことのかずかずは、そのまま許しておけなかったし、この上、ほうっておけば、どんなことになるかわからない。