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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

吉川英治『宮本武蔵(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 页

青空文庫

堂衆というのはいわゆる学寮の生徒である。生意気ざかり、知識自慢、頭でっかちの衒気紛々なのが揃っているのだった。

「なんじゃ、里のうわさが大きいので、然るべき侍かと思うたが、こう見たところ、つまらぬ奴じゃ、腹でも立てて来ることか、碌に物もいえんではないか」

黙っていればいるで、なお、毒舌をふるうので、武蔵もやや色を作した。

「人をしていわしめるといわれたな。天の声といわれたな」

「そうだ」

傲然と、いい押してくる。

「それは、なんの意味か」

「わからんのか。山門の衆判をいい渡されても、まだ気がつかんのか」

「……分らぬ」

「そうか。いや汝の神経ではそうもあろうて。愍れむべき男は汝だ。――だが、輪廻はやがて思い知るであろう」

「…………」

「武蔵。……そこ許の世評はひどく悪いぞ。下山しても気をつけろよ」

「世評など、なにものでもござらぬ――いわしておけばいいのだ」

「ふふん、なにやら、自分が正しそうなことを」

「正しい! おれは寸毫も、あの試合において、卑劣はしていない。……俯仰して恥じるところはない」

「待て。そうはいわさん」

「どこに武蔵の卑屈があったか。卑怯未練をしたというか。