轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

吉川英治『宮本武蔵(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 页

青空文庫

だから、或はもう、そこに老母は参籠しているかも知れない――と又八は考えたのである。するとあながち彼の考え方も、空だのみでないかも知れなかった。

六条坊門の通りから五条のほうへ歩いてゆくと、町ではあるが、この界隈の夜というものは、犬につまずきそうな暗さであった。――その野良犬がまた実に多い。

彼は、先刻から、その野良犬の声に、取り巻かれていた。石を投げたくらいで沈黙する群れではなかった。しかし、彼という人間も、吠えられることにはこの頃馴れているので、いくら犬が牙をむいて尾いて来ても、吠えるほうで張合いのなくなるほど平気で歩きつづけていた。

――だが、五条に近い松原の辺りまで来ると、犬の群れは、突然、吠える方向をかえて、又八の前後に尾きまとっていた犬まで、わらわらと跳躍して、ほかの群犬と一緒になり、並木のうちの一本の松の樹を取り巻きながら、喧々と、空へ向って咆哮しだした。

暗闇の中にうようよしている犬の影は、犬というよりは狼に近い。それが数えきれない数だった。中には、爪を立てて、その松の樹の五、六尺上まで跳びかかって牙をむいている恐い犬もある。

「……おや?」