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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

た。

「課長、すぐ本庁へ行かれますか」

と、自動車の運転をしている警官がたずねた。

「ああ、すぐ本庁へたのむ」

課長としては、こういうわけのわからない事件の報告は、なるべく早くすませておかないと、気が落ちつかないのであった。いってみてよかった。これまでに手がけた事件とちがって、全く妙ちきりんな事件である。警視総監も、さぞ驚かれることであろう。

課長の乗った自動車は、お濠を右に見て、桜田門の向かいに立ついかめしい建物の玄関に着いた。この建物こそ、わが帝都を護る大きな力、警視庁であった。

課長は、一旦、自室へはいったが、すぐ席から立って、総監室へはいった。

課長は、なかなか出て来なかった。彼が出て来たのは、それから約一時間もたった後のことだった。総監も、課長の報告によって事件の重大性に驚き、今後のため、いろいろと念入な打合わせが、行なわれたものらしい。

課長が自席へ帰って来ると、それを見かけた佐々刑事が、課長のところへ飛んで来た。

「やあ、課長。ごくろうさまですなあ。で、その火星の火柱とか、火星の化物とかいう怪しいものの正体は、わかりましたか」

課長は、それに返事をするかわりに、首を左右にふった。