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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「えっ、やっぱりわからないのですか。課長にもねえ」
大江山課長は、溜息をついた。
そうして佐々刑事に向かって、
「おい、皆にここへ集ってもらってくれ。千葉出張の獲物について報告をするから」
「ははあ、獲物についての報告ですか。獲物とは、そいつはすばらしい話だ」
佐々は、大仰に驚いて、課内の幹部の机を一々走ってまわった。
まもなく、課長の机の前後左右は、部下の主だった警官によって、ぐるっと取りかこまれた。
課長は、そこで、いつになく深刻な顔つきで、一同をぐるっと見まわしたあとで、
「千葉へ出張して、掴んで来たことについて報告をする。結局獲物は、たった三つである」
と言って、課長は、机の上を指先で、ことんと叩いた。
「その第一。火柱の発見者で、そのために大怪我をした友永千蔵という男は、怪我をした場所がよくないらしいが、目下気が変な状態にある。どうにも、手のつけようがない。だが、怪我の方は、重傷ではあるが、致命傷ではないそうで、このまま死ぬ心配はない」
課長はそこでちょっと口を切って、
「第二の収穫は、こういう拾い物だ」
と言って、鞄の中に手を入れて、やがて机の上に放り出したものをみれば、木の葉蛙の背中のような、色のまっ青な、長さ一メートルあまりの鞭のようなものであった。