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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「課長、彼等を殺してしまっては、何にもならんじゃないですか。ぜひ生捕にしろと、なぜ命令しないのですか」
佐々刑事は、いささか不満の顔つきであった。
「うん、生捕に越したことはない。だが、彼等は、我々の決意を知ると、将来においては、もっと狂暴なふるまいをするだろうと思う。君がたに命がけで活躍してもらいたいことはもちろんだが、しかし一方において、私としては、ここにいる君がたのうちの一人でもを、冷たい骸にするに忍びない。だから十分用意をととのえるように」
悪人たちからは、鬼課長として恐しがられている大江山警視だったが、部下の身の上を思うその言葉の中には、限りない慈愛の心があふれていた。
「おれは、必ず生捕ってみせる。おれも生き物なら、相手だって、生き物なんだから。生き物の息の根をとめるには、こうしてぐっとやれば、わけなしだ」
と、佐々は柔道の手で締めるまねをした。
怪人丸木と火星の生物との検挙命令を発しおわった大江山捜査課長は、その時、急に思い出したらしく、
「おおそうだ。あの子供は、どうしているかね。千二少年は?」
と、かたわらを向いてたずねた。
「ああ、千二少年ですか。