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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そうだろう」

「まあ、そうですね」

「かえりつけば、千葉警察の者が、こっちへすぐ報告して来るはずだ。なぜと言えば、千二の家は、ちゃんと警官が張番をしているんだからな」

「なるほど」

「ところが、今はもう夜じゃないか。しかるに、千葉からは、何の報告も来ていない。すると、千二は、まだ自宅へかえりついていないことが、よくわかるじゃないか」

「な、なるほど」

佐々は、なるほどの連発だ。

「そこだ、私のたいへん心配しているところは」

と、課長は、語気を強めて言って、

「だからこれは、ひょっとすると、千二が途中で例の怪人丸木にさらわれてしまったのではあるまいか。そういう疑いが起るではないか」

課長だけあって、考えがかなり深かった。ほんとうに課長の言うことは、中っていたのである。怪人丸木は、たしかに千二を途中でさらっていった。日比谷公園のそばに、自動車をとめておいて、千二をうまく運転台におしこんで、逃げていったのだった。

そこで、課長は、はじめて頬杖をやめて体を立てなおすと、一同の顔を見まわし、

「どうだ管下において、少年がかどわかされていくのを見た者はないか」

「さあ、そういう報告はどうも……」