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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「それとも、なにか少年に関係した事件はなかったろうか」
「そうですねえ――」
さすがに、大江山課長は、目のつけどころがちがう。千二少年が、何者かにさらわれたと知ると、すぐさま、捜査の糸口をつまみ出した。
「さあ、今日管下に起った事件の中で、少年に関係があった事件と言いますと、皆で三件あります」
と、佐々刑事が、主任の机の上から帳面を持って来た。
一同は、その帳面の方へ、頭をよせる。
「まず第一は、午前八時、名前のわからない十二、三歳の少年が、電車にはねとばされそうになった小学校一年生の女生徒を、踏切で助けようとして自分がはねとばされ、重傷を負いました。これは小田急沿線登戸附近の出来事です」
「それはちがうね」
と、大江山課長は一言で、首を横に振った。
「は、ちがいますか」
「時間が午前八時では、千二少年は、まだ外に出ていないではないか」
正にその通りである。
その時刻なら千二少年は、まだ警視庁の留置場にいた。
「なるほど。これは私としたことが、ぼんやりしていました」
と、佐々は頭をかきながら、また帳面をめくった。
「はい、ありました。これは午後一時です。十四歳になる竜田良一と名乗る少年が、リヤカーに乗ったまま、昭和通で自動車に衝突、直ちに病院にはいりましたが、この原因は、信号を無視したためです。