轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

どっちも、たいへん古めかしい飾りがついている、振子形の旧式時計であった。

振子は、どっちの時計の振子も、とまっていた。つまりうごかない二つの柱時計が、このがらんとした秘密室の留守番であったのである。

「まてよ、この二つの柱時計が、値打のある宝物なんかではなかろうか」

新田先生は、柱時計がかかっているその下まで出かけていって、それをていねいに何度もよく見たのであった。

たしかに古くて、時代がかったものであったが、作りもそうりっぱなものではない。むしろ安時計と見てもいいものだ。

「変だなあ。なんとなくわけがありそうな時計だけれど、どうもわけがわからない」

そう言って、先生はなおも柱時計の文字盤を、じっと見すえたのであった。

まるで、二つの柱時計が、留守番をしているような、がらんとした空部屋だ。これが、蟻田博士が、厳重に鍵をかけておく、秘密の部屋なのだ。

しかし、こんながらんとした空部屋の、どこが秘密にしておく必要があるのであろう。空部屋ならば、扉に鍵をかけておいても、或はまた、鍵をかけないで、あけ放しにしておいても、同じことではないか。

新田先生は、部屋のまん中に立って、あきれ顔で、部屋中をいくども見まわしたのであった。