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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ごとん。
またあの怪しい音がした。どうも人間がいるらしい。
先生は考えた。どうしてやろうか、と。だが、ぐずぐずしていられないことはたしかであるから、思い切って、先生は床下に向かって声をかけた。
「誰だ、そこにいるのは?」
ごとん――と、また音がしたけれど、へんじがない。
「そんなところにはいりこんでいては、困るじゃないか。用があるなら、こっちへ出て来たまえ」
先生は、床下にひそんでいるのは、刑事かも知れないと思ったので、なるべく鄭重に言った。
新田先生は、マッチを出して火をつけた。
「とにかく、こっちへ出て来たまえ」
と、空気穴から声をかけた。
すると、床下では、ごとんごとんとつづけざまに音がしたが、やがて何者かが、こっちへごそごそはい出して来る様子。
「いよいよ、おいでなすったな」
と、新田先生は、体を建物の土台の方へよせて身を守りながら、また新しいマッチに火をつけた。
(もし、変な奴だったら、この空気穴から頭を出したとたんに、力一ぱい首をしめてやろう!)
そう思って身がまえたとたん、近づいた床下の怪物は、
「先生、新田先生ではありませんか」
と、意外な言葉を発したのであった。