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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「なに、二ひきだって。どれどれ」

檻の奥の、うす暗いところを見ると、なるほど、もう一匹の怪しげな動物が、眠っているのか、丸くなっている。

地底にうごめく二匹の怪しい動物!

新田先生と千二とは何だか、夢を見ているような気がしてならぬ。

「ねえ、千二君。あの動物のそばへよって、もっとよく見たいものだね」

「ええ」

「どこか、そのへんに、下りるところがあるのではないか。さがしてみようよ」

「ええ」

「ああ、千二君、こわければ、先生について来なくてもいいよ」

「いえいえ、僕、一しょに行きます。しかしねえ、先生。あの怪しい動物は一体何でしょうか。先生は、すこしも、見当がついていないのですか」

千二は、熱心にたずねた。

「まだ、わからない。全く、わからない」

「そうですか」

と、千二は、ちょっと考えていたが、

「実はねえ、先生。僕はさっき先生が、穴の中にへんな動物がいる、と言われたので、のぞきましたね。その時、僕は、それは火星の動物じゃないかしらと思ったのです。つまり、いつか、火星のボートに残っていた、怪しい奴のことを思い出して、また、あれと同じかっこうをした奴ではないかと思ったんです」