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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
博士を追跡しろ。そうして、当分お前は博士を監視するんだ!」
火星のボートが残して行ったと思われる、青い色のむちのようなものを、蟻田博士がさらって逃げた。大江山課長は、元気者の佐々刑事に、追跡して監視しろと命じた。
佐々は、いまかけ上って来た階段を、またどかどかとかけ下りて、警視庁の玄関からとび出した。
こっちは、課長のそばにいた当番の警官であった。佐々のとび出して行った戸口を、あきれたような顔で見送りながら、
「課長。佐々刑事は黙ってとび出しましたが、あれでいいんですか」
「何が?」
「つまり、博士の行方が、佐々刑事にわかっているでしょうか。博士はどこへ行ったか、もう姿は見えなくなっているはずです。どうも、あの佐々刑事と来たら、気が短く、早合点の名人ですからねえ」
「ああ、そのことか。そのことなら、彼のことだから何とかやるだろう」
佐々は、玄関の外にとび出したが、博士の姿はもう見えなかった。
「しまった。どっちへ行ったのかしら」
玄関を警戒していた同僚に、博士がどっちへ行ったかをたずねたが、誰も知らない。戸外をすかして見たが、街灯がほの明かるい路面には、夜更のこととて、行人の姿は見えなかった。