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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

その叫び声のわけは、一向にわかりそうもないが、そのひゅうひゅう、ぷくぷくと言う声は、何か話をしているらしいことが、おぼろげながらわかった。これは、火星人の言葉なのであろう。

(この人間が、今大きな声を出したではないか。逃げるつもりではないか)

(逃げるかもしれない。もっときつく、おさえているんだ)

と、言ったような言葉でもあろうかと、先生は思った。だがそれは先生の思い違いで、ほんとうは火星人はそんな、なまやさしい話をしていたのではなかった。それは、いずれだんだんとわかる。

先生はその話声からして、自分のうしろにつきしたがっている火星人の人数が六、七人、あるいはもっと多人数であることを覚った。

ひゅうひゅう、ぷくぷく。

新田先生を、後からおさえつけた火星人たちは、一体何を言っているのであろう。

しばらくすると、火星人の話は、まとまったものとみえ、新田先生は、また後からぐんぐん前に押された。

「どこまで、連れて行くつもりかなあ」

新田先生は、少し不安になって来た。

ひゅうひゅう、ぷくぷく。

火星人は、おこったような声を出した。

それから十五、六歩も歩いたところに岩があった。