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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
その岩のかげに、人間のはいれるくらいの穴があった。
火星人は、後から、ぐんぐん押した。その穴の中へ、押込むつもりらしい。その穴の中には、一体何があるのであろうか。
「ええい、どうなることか。行くところまで行ってやれ」
先生は、もう度胸をさだめた。そうして、火星人の意にさからうことなく、穴をくぐった。穴の中から、例のいやなにおいが、ぷうんと鼻をうった。
中はまっ暗であった。しかし、中はあんがい広くて、人間がはいっても、頭がつかえるようなことはなかった。
先生は、くさいにおいには閉口しながらも、一生けんめいがまんしながら、穴の奥の方まで、連れて行かれた。
目かくしは、いつのまにか、取れてしまったようである。
穴の中の暗さにも、だんだんなれて来たものとみえ、あたりの様子がぼんやりわかって来た。
その時、まず先生をおどろかしたのは、いつの間にか、自分の前を歩いている異様な火星人の姿であった。穴の中は暗いので、それで安心して、火星人は、先に立って歩いているらしかった。彼らのかっこうの悪い胴体が、歩く度に重そうにゆれた。
すると、とつぜん先生は、明かるい光の中へ押出された。