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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、大手をひろげた。

すると、さきほどから、両人の組みうちを、かたわらから、じっと見ていた丸木が、急に両人の間に割って入り、何だかわけのわからない言葉をぺらぺらとしゃべった。

それはどうやら、らんぼうな火星人を叱りつけたものらしい。先生の敵は、すごすごと廻れ右をして、仲間の後へかくれてしまった。

「新田先生」

と、今度は丸木が先生に話しかけた。

「これ以上、火星人をおこらせないのが、身のためですよ。さっきの話は承知してください」

怪人丸木が、新田先生におしつけようとするのは、山梨県一帯の山中を、火星人にゆずりわたせということだった。

「そんなことを言っても、私には、きめる力がないのだ。それは、政府へ申し込んで下さい。私は、そんなことには何の力もない、一人の教師なんだから……」

「ふふふふ、こまった人間だ」

と、丸木は、うす笑いをしながら、

「わしの目から見れば、先生であろうが、政府の役人であろうが、どっちも地球の人間と見ることにかわりはない。わしは、これ以上くどくど言うことはやめます。要するに、わしたちの相手は、人間でありさえすれば、誰でもいいのだ。人間どうしの相談なら、先生だとか、役人だとか、そんなうるさい資格が必要かもしれないが、火星人対地球人の相談には、人間が勝手にきめた地位や資格のことを考える必要はない