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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
のだ」
と、丸木は少しむずかしいことを言ったのち、
「ねえ、先生。ぐずぐずしていると、あなたがたの足の下にふみつけている地球が、煙のようになって、ふきとんでしまうのですよ。わしたちは火星人だから、そんなことになっても、一向こまりはしない。こまるのは、あなたがた地球の人間たちばかりだ。そうでしょうが」
先生は、だまっていたが、もちろん、丸木の言うとおりにちがいなかった。
「だから、先生。あなたは、地球の人間を代表して、わしに返事をしてくれればいいのです。先生がうんと言って承知をしてくれれば、わしたちは出来るだけの力を出して、先生をはじめ地球の人間をすくうつもりです。人間だけではない、牛や馬や犬や猫や、それから桜の木や、松の木や、かつおや、ひらめのような魚や、それから、鶴や蛇や、地球上のありとあらゆるものを、一通りすくい出して、火星につれていってあげる」
「えっ、人間ばかりでなく、たくさんの動物や植物までも、のせて行くのですか」
新田先生は、火星人丸木の言葉を、おどろいて聞きかえした。
「そうですとも」
「なぜ、そんなことをするのですか。一人でも、多くの人間をのせて行ってもらいたいと思うのに、牛馬や木などに、場所を取られては、惜しいです」