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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「はてな、この壁の中に部屋があるらしいが、どこから出入するのかなあ?」
と、佐々はあたりを見廻したが、別に扉もない様子であった。
その時、話声はぴたりととまった。
「おや?」
と、佐々は壁の方に耳をすりよせた。すると、どこかで、するすると扉の開くような音がした。佐々は、すばやくまたあたりを見廻した。
「あっ」
ちょうど、彼の立っていたところの後の廊下のまん中に、大きな円い穴があきかかっている。それは、見る見る大きくひろがって、人間のからだがはいれるくらいの大きさになった。佐々は、これを見ると、すばやくからだを伏せた。
すると、また別のぐうぐうという音がして、穴の中から二つの大きな頭が現れた。
あっ、火星人だ! 火星人が、そこに残っていたのだ。
二人の火星人は、佐々の姿を認めてびっくりした。一旦、穴を飛出そうとしたが、また急に引返そうとする。
「こら、待て」
佐々刑事は、大きな声で叫ぶと、床をけってはねおき、二人の火星人めがけて、
「やっ」
と、飛びついた。
佐々刑事は二人の火星人に見つけられ、このまま引込んでは、こっちに弱みが出来ると思ったので、やにわに、二人の火星人に飛びついたのである。