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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
さっそく電話を東京へ申し込んだが、急ぐ時は、意地の悪いものでなかなか通じない。
それでも午前九時ごろになって、やっと、旅館の電話は警視庁へつながった。
新田先生は、久しぶりに、大江山捜査課長の声を聞いた。
課長は、新田先生の声が、直ぐにわかった。
「やあ、新田先生。あなたは、もう東京へ帰って来られたんですか」
と、電話に出て来た大江山課長は驚いていた。そうでもあろう、新田先生にしたところが、あの掛矢温泉につかって、病後の体をゆっくり丈夫にしたいと思っていたのであるが、はからずも、地獄沢の上の怪火に引きよせられ、火星兵団にぶつかったればこそ、こうして早く東京へ舞いもどらねばならなくなって来たのだから。
「大江山さん。私は、火星兵団にあいましたよ。命からがら逃げもどって来たところです」
「なに、火星兵団?」
「課長は御存じないのですか、甲州の山の奥に、火星兵団が、いわゆる火星のボートに乗って着陸したことを」
「それが、火星兵団ですかね。こっちにはそんな報告は来ていないが、昨夜、山梨県でたいへんあざやかな、流星が見えたという話は聞いていますがね」
「昨夜なら、それは、きっと火星兵団のことに違いありません。