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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
そうしてこの中には、火星の生物が、十四、五体も乗組んでいるのだ」
「えっ、火星のボートの中ですって」
「なんだ。やっぱりおどろくじゃないか」
火星のボートの中! これがおどろかないでおられようか。
火星のボートの中に、千二はいたのである。何時の間に、火星のボートの中にはいったのか、さっぱりわからない。
「すると、僕の体は、もう地球から離れてしまったのですね」
「ううっ、まあそのへんのことは、何とでも考えたがよかろう」
蜘蛛の化物みたいな大男は、ちょっとあわてたらしかったが、ともかく返事はした。
そうか、火星のボートの中か。道理で変なにおいがすると思った。こんな変なにおいは、地球の上ではないにおいだ。
だが、ボートにしては、天井があるのが、不思議である。火星では、天井のあるボートを使うのだろうか。
「おい。お前を今元気にしてやるから、そのうえで、一つ頼みたいことがあるんだ」
その男は、突然用事のことを話しかけた。
「頼みたいことですって」
千二は、目をぱちぱちして、この不思議な男の顔を見上げた。
「一体、おじさんは、何という人なの。ああそうか。おじさんも、やはり火星の生物なんだね」