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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「人間は大きらいじゃ」

と、老博士は、にがにがしく言って、

「それに、もうすでに時おそしじゃ。何をやっても、もう間に合わないだろうよ」

「そこを、何とかならないものでしょうか。何千年・何万年という輝かしいわが人類の歴史を考えると、このまま人類を絶滅させるには、しのびないではありませんか」

「人間たちの心がけがよくないから、そんなことになるのだよ。今ごろになって言っても、もう始らないが、わしは三十年このかた、地球人類に警告をして来たのだ。近ごろになっても、あの『火星兵団』についての警告放送をやったりしたが、誰も本気になって、それを聞かないのだ。対策を考えようとしないのだ。万事、もうおそいよ。自業自得だ」

と、博士はあいかわらず人間たちにたいして、ひややかな言葉をはいた。

(そうでもあろうが、ここで何とかして、博士の心に、人類愛・同胞愛を起させなければならない)

と、新田先生は自分の心を自分でむち打った。

「すると博士はどうされるのですか。四月四日の前に、ロロとルルを連れて、火星へお帰りになるのですか」

「何をばかなことを! 火星へ行くのは、ロロとルルを処刑場へ連れて行くようなものだ」