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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
はたしてそのおくの部屋には、何があったであろうか?
(早くしないと、もう見えなくなるぞ)
と、蟻田博士は、奥の部屋から新田先生をよぶ。一体何が見えるというのであろうかと、先生は、丸窓のような形をした入口をくぐって、博士のそばへ近よった。
室内は暗かった。暗室なのだ。
ただ、標示灯のあかりが、ぼんやりと機械の一部を照らしていた。それはのぞき眼鏡のようなものであった。博士の手が、そのあかりの中にあらわれて、のぞき眼鏡のようなものを指す。
「おい、新田。この中をのぞいて見ろ」
蟻田博士の声だ。姿は見えないが、声だけ聞える。うすきみがわるい。
先生は、博士の手が指さすのぞき眼鏡のようなものに、目を近づけた。
「右の横につまみがある。それを廻して、焦点を合わせるのだ」
先生は、そののぞき眼鏡の奥に、何だか、ななめになった光り物をみとめた。しかしそれは何であるかわからないので、右手の指でつまみをさぐって廻してみた。
すると、その光り物はだんだんはっきりして来た。
「ほう、これは彗星だ!」
と、先生は思わず、おどろきを声に出してさけんだ。
「そうだとも、もちろん彗星だ」