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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
火星の人間は動物でない――などと、へんなことを言出した。
「おお、あれは佐々刑事の声に違いない!」
と、新田先生は、すっかり興奮してしまった。
「何じゃ、佐々刑事? この、しおから声を出している人間は、あのがむしゃら刑事じゃったか」
博士はちょっと驚いた様子だ。そうして、「ふん、おもしろくもない」とスイッチをぷつんと切ってしまった。とたんに、佐々の声は聞えなくなった。
「あっ、スイッチを切っちゃいけません。もっと私に、その先を聞かせて下さい」
新田先生は、博士に迫って行った。
「こんなものを、聞くことはないよ。今さらこんな世まよいごとを聞いて、何のたしになる! モロー彗星は、もう間近に迫っているのじゃ」
博士の口ぶりから考えると、佐々刑事の電話を新田先生に聞かせたくないらしい。博士は、切ってしまったスイッチを、再び入れようとはしないのだった。
新田先生は、老いたる師の博士をつきのけてまでも、佐々刑事の宇宙電話を聞く気にはなれなかった。次の機会を待つよりほか仕方がないであろう。
だが、このまま引っこんでしまうのは、たいへん惜しかったものだから、
「博士、今の電話は、火星から伝わって来たもののように思いますが、違いますか」