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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

先生は、考えをそこまで持って来た。そこには、恐しい大驚異の世界が開かれていた。そうだ! 動く植物! 火星人なるものは、進化した動く植物だと考えては、どうであろう!

「ああ、驚くべきことだ。ああ、恐しい世界だ」

と、新田先生は、思わず口に出して叫んだ。

そばで蟻田博士は眠れるロロとルルを見まもっていたが、とつぜん新田先生が声を出したので、後を向いて先生をにらみつけた。

「おい、静かにせんか」

新田先生は顔をまっ青にして、興奮のためにふるえていた。

(わかる、わかる。火星人を、進化した動く植物だと仮定して考えると、これまでに疑問だったことが、大分うまく解ける!)

蟻田博士は、火星人は動物でないと言った。だから植物であるというのは、答えになるではないか。

それから又、そこの檻の中に病気で弱っている火星人ルルは、博士が日本アルプスの山中から掘出して来たという草の根を、くさりかけた体にぬって、たいへん気持がよくなったというが、この薬は動物にはきかないという。火星人は植物だからきいたのではないか。

まだある! 火星人の残酷さだ!

火星人は、情というものを全然知らないようである。