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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

千二は、いつまでこうして、電波囚人になって、こころの自由をしばられているのであろうか。

「ああ火星から無電がはいったようです。おお、ペペ王からの電話です」

と、千二は急に壁のところへ、かけ出して行った。

「何だ、はやペペ王から電話か。はてな、いつもの通信時間とは違うようであるが……」

と、丸木はふしん顔。

「そうです。特別通信です。何かペペ王の方で、急がれることがあるのでしょう」

こういう話になると、千二の頭はあたり前に働いた。千二が今かぶっている電気帽は、ただ『ここを逃出す』という気だけを、ぜったいに千二に起させないように、機械を合わせてあったのである。

千二は、壁のところに出ている小さなボタンを押した。

すると、壁の上に、ぽこんと四角な窓があいた。窓ではない、一種のテレビジョンの幕だ。無電をかけて来た火星の景色が、うつっているのであった。

「おい、マルキよ」

画面一ぱいに、いきなり、例のトマトに目をつけたような火星人の顔があらわれた。ペペ王だった。画面のペペ王が口を開くと、そこからペペ王の声が出て来るのであった。

千二は、かくべつおどろいた様子もない。