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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「はい、ペペ王。何の御用ですか」

丸木は、椅子に腰をかけて、落着いて言った。

「こら、マルキ。お前の監督はよろしくないぞ」

と、とつぜんペペ王のお叱りだった。

「はて、何をしくじりましたかな」

丸木は、口ほど驚いていない。

「きのうだったか、そっちから火星へ戻って来た宇宙艇があった」

「なるほど」

「お前も知っているのだな。――その宇宙艇は、着星したのはいいが、いつまでたっても誰も出て来ないのじゃ。入口の扉をどんどん叩いても、中からあけようともしない。仕方がないから、こっちから通信でもって、『おい、早く扉をあけて出て来んか。何をぐずぐずしているのか』と言っても、さらに答えなしじゃ」

「ほほう。それは、けしからん」

「通信が中へ聞えないかと思うと、そうでもない様子だ。中には、火がついたり消えたりもするし、それからまた中から電波を発射していることもわかっている。そのくせ扉をあけないのじゃ」

「逆乱軍でしょうかな」

「えっ、逆乱軍? おいほんとうか。そんなものが起るわけはないのだが……。とにかく宇宙艇の扉と来たら、内側からあけないかぎりは、外からはどんな事をしても、あかない仕掛になっている。