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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
がわかった時には連合脱出隊のロケットは完全に針路をおさえられてしまった。そうして次の瞬間には、火星兵団の宇宙艇隊は、ロケット隊のまん中を刺貫ぬくように飛込んで来た。勝ち負けは、その瞬間にきまってしまった。
せっかく力を合わせて編成した連合脱出隊のロケット五百台は、火星兵団のため、空中に全滅してしまった。
この悲報は、全世界を打震わせた。
「今度は、大丈夫だと思っていたのに……」
「あれでいけなかったら、われわれ地球人類は、絶対に火星人に降服する外はない」
「もっと早くから、対火星戦を、考えておくんだったな」
と、各国の責任者たちは、無念の涙をはらはらと落しつつ、この惨敗のあとをふりかえった。
ロケットに乗せて貰えない連中は、ロケットが、地上から飛出していくたびに、自分がいつまでたっても、地上に取残されていることを不満に思い、飛んでいくロケットのあとをうらめしそうに、そうしてうらやましそうに見送ったものである。ところが近頃になっては、彼らはもうそのような、うらめしそうな目附はしなかった。それは出ていくロケットというロケットが、ことごとく火星兵団のため空中でとけてしまったり、地上に追帰されたからである。