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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

わしは、どうせそんなことじゃろうと思い、火星人には、絶対に気がつかれないように注意を払いつつ、或る研究をつづけていたのだ。その研究は、やっと完成した。これさえ使えば、火星兵団をうち破ることはそうむずかしいことではないと思う。そこでわしは、お前だけに、ほんとうのことを、うちあける気になったのだ。これまで、お前にも、わざとつらい目に合わせて気の毒だった。今こそわしは、全力をあげて火星兵団とたたかうぞ」

「おお、博士!……」

新田先生は、意外また大意外の博士の話を聞いて、喜びのあまり、後の言葉が出なかった。

蟻田博士の様子が、すっかり変ってしまった。

博士は、今まで怪しい人物だとばかり思っていたが、本心を明かせば、実にえらい人物であった。博士は、ほんとうに地球人類のことをしんぱいし、そうして火星人を追いはらうことを研究していたのだ。

「博士。今度みごとに出来あがった博士の或る研究とは、どんなものですか。ぜひ、私にも教えて下さい」

と、新田先生が言えば、博士はひげの中から口をもぐもぐと動かして、

「その研究のことは、ぜったい秘密にしておかなければならないのだが、ここだけの話として、お前にも話をしておこう」