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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
と、博士は先生のそばに、すり寄って、
「いいかね。わしは火星人の着ている殻をうちやぶる毒ガスを発明したのだ。この毒ガスを十号ガスと名附けた。十号ガスを火星人に浴びせかけると、火星人が着ているあのかたい殻が、見る見る中に蒸発して、影も形もなくなってしまうのだ」
それが十号ガスの偉力であった。たいへんな力を持った毒ガスである。新田先生はこれを聞いて舌を巻いた。
「十号ガスというのですか。なかなかすごいものですねえ。その十号ガスのため、火星人の殻が蒸発して、なくなってしまうと、それから火星人はどうなります」
「どうなると言うのか。それはわかっているではないか。火星人は、はだかになってしまう。地球の上で、火星人がはだかになれば、彼等は、すぐに死んでしまわにゃならん。なぜって、地球の上では大気の圧力が強すぎて、火星人の体はもたないのだ。火星人の体を、地球の強い圧力の大気から守るために、火星人は殻をつけているのだからねえ。それを取られりゃ、一たまりもなく、火星人は死んでしまうはずじゃ」
十号ガスのすばらしい力!
蟻田博士は、たいへんなものを発明したものだ。これなら火星人は、かなり苦戦に陥るであろう。