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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

いや、よくわかりました。これはどうも、わたしがのぼせ上っていて大失敗をしました。あははは」

と、先生は師の前で頭をかいたことであった。

博士と新田先生とは、穴から外へ出た。外は、まっくらであった。

「おい、新田。ちょうどいい。いっしょに下の方へ下りていってみよう。赤羽橋あたりへ出れば、火星人に出会うかも知れない」

「はい」

先生は、博士と並んで歩き出した。月が空にかかっていて、二人の影を地上にはっきりうつした。

また別の方からは、モロー彗星が強い光を放って、二人に別の影をつけていた。先生は、火星人そっくりの自分の姿を見て、苦笑いをした。

54 危機せまる

ガスピストルを持っての初試験だ。

蟻田博士と新田先生とは、火星兵団の者そっくりの姿をして、深夜の町をそろそろと赤羽橋の方へ歩いていった。

町は、死んだように静かであった。

「博士、町は、たいへん静かですよ。この様子では、火星人は、引上げていったのかも知れません」

「そうだなあ、ちと静かすぎるのう」

博士と先生とは、そんなことを言いながら芝公園の横をぬけ、電灯がぽつんとついている赤羽橋の方へ足を向けたのであった。