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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「突撃隊、集れっ」
勇ましい号令をかけているのは、大江山課長だ。
昨夜課長は何事ももうこれまでと思い、部下のとむらい合戦のつもりで火星人の中に斬込み、死力を尽くしてはなばなしく戦い、そこで死んでしまうつもりだった。そんな悲壮な決心を固めた課長は一夜明けるとたちまち元気を取返し、さっそく博士にすすめられた通り突撃隊を編成し、これに博士の発明したガス弾を持たせ、火星兵団に大逆襲をこころみようということとなった。そうして今や一切の用意は出来上ったのだ。
「今からまず帝都附近一帯に出動して、火星人と見たら、今一同の手に渡したガス弾でやっつけてしまうのだ。火星人を見つけたら、決して見逃さないようにすること。ここで一人の火星人を逃せば、十人、二十人の尊い日本人の生命を犠牲にする上、もしも火星にまで逃帰られたら、それこそどんな新兵器を持った新手の火星兵団が、この地球へ攻寄せて来るかわからないのである。だからわが突撃隊員は、火星人を見たら仕損じなく、そうしてすばしこく火星人を倒すよう心がけることだ。わかったか、わかったろうな」
「はい、わかりました」
「よろしい、各隊、出発!」