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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
そして奴らの体に、おれの名前を焼きつけておこうと思う」
などと、火星兵は、ずいぶん勝手なことを言合っていた。
実のところ、このごろ火星兵たちは、人間があまり弱いので、本気になってたたかう気がしなくなった。
宇宙の中で、火星人が一番えらいのだという考えが、一そう彼らの心をおごらせ、そうして、ゆだんをさせた。
だから、山のいただき附近には、まるで蟻のけんかでも見るような気で、たくさんの火星兵が集って来た。彼らはいずれも、かっこうのわるい、あの太い胴をゆすぶり、そうして針金のように細い手足を振りまわして大きな頭をぐらぐらさせながら、楽しそうに下をのぞいている。――まことに失敬きわまる火星兵どもであった。
ちょうどその時、彼らのそばへ、黒い帽子に黒マントの火星人が二人、近寄って来た。黒い帽子に黒マントのすがたをしているのは、火星人の中でも、幹部級の者とか、とくべつ任務の者であった。だから、火星兵たちは、この二人を見ると、手をあげて敬礼をするのであった。
「あいつ、いやな奴だなあ。敬礼をしてやっても礼を返さないよ」
「ふん、きっと地球の空気を吸いすぎて、おかしくなっているのじゃないか」